
11月26日にコロナウイルスの変異株にあたるオミクロン株が南アフリカで発見され、株式市場は大きく揺れています。
オミクロン株は従来の変異株と遺伝子の型が大きく異なり、さらに非常に感染力が強いとされています。
また、新たな変異株の登場によって、ワクチン効果の有効性も不安視されています。
現在ヨーロッパでは第6波の感染拡大が起こっており、一部地域ではワクチン未接種者を対象にロックダウンが行われています。
一部対象者のみへのロックダウンがワクチンの有効性次第では全市民対象となる可能性があるとして、経済復調の鈍化が懸念されています。
経済復調の鈍化が示唆されたことから、株式市場は大きく下落しVIXも30を超す水準になっています。
しかし、そんな中、堅調に株価が推移している業種が海運セクターです。
景気敏感株と言われる海運セクターがなぜ堅調に推移しているのか説明します。
海運セクターは2021年初めごろからコンテナ船運賃の上昇によって、近年稀にみる好業績となっています。
コンテナ船運賃は昨年同期比4倍まで高騰している。
これは世界的な行動制限により「コトからモノ」へ消費変化が起こり、モノの輸送料が増えていることが原因となっていると言われている。
その傾向はいろいろな所で見られる。
コンテナの不足、サプライチェーンの麻痺、輸送コスト増によるインフレ率の上昇などがこれにあたる。
輸送需要が増えてもコンテナ船は短期間で造ることは出来ないため、供給量を急に増やすことは出来ません。
さらにコンテナ船運賃の上昇は輸送量の増加以外にも原因がある。
それは感染対策として港湾従業員の隔離や制限が行われているためだ。
荷役量が増えてもガントリークレーンは増やせないし従業員も増やせない。
処理能力が回復&上昇していない中で大量の荷物が届いても処理しきれず、コンテナ船は沖で順番待ちするしかないという状況に陥っている。
秋口までは制限の解除や荷役作業時間の24時間化などによって、荷役作業が向上しコンテナ船運賃は低下傾向ではありました。
しかし、オミクロン株の蔓延によって港湾の処理能力が下がる可能性があり、コンテナ船運賃の再上昇と運賃の高止まりが長期化する見方が現れている。
運賃の上昇が続けば海運セクターへの特需が短期間で終息する見方がなくなり、来年以降も続く可能性が示唆されるためだ。
コロナウイルスの蔓延が相場を動かしている状況であれば、海運セクターをポートフォリオに追加することで下落リスクを減らすことが可能になるかもしれません。
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