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あなたは投資を始めてからポートフォリオの点検はしたことがありますか?

短期売買を繰り返している投資家の場合には、相場次第でポートフォリオは大きく変化するので問題ありません。

しかし、長期投資の場合は見直す機会があまりなく全く気にも留めない人も多くいます。

順調に収益が上がっているとポートフォリオは健全だと感じ、他に優秀なポートフォリオはないと考え、ポートフォリオを組み替える機会すらありません。

ただそれはポートフォリオを組んだ時から現在までが良く機能していただけで、今後も期待した利回りを享受してくれるとは限りません。

それに加え、インフレや経済成長率を考慮した場合、想定した利回りが出ていない場合もあります。

自身の思い描いている利回りのためのアセット配分が経験のなさによって実現した利回りと乖離も起こしてしまう場合もあります。

 

例えば、リスクを取って株式に多く投資していても、バリュー株ばかり偏った投資をしていれば想定よりも悪い結果になる場合があります。

逆に、堅実に増やしていこうと考えても、景気敏感株やNASDAQ100のような成長株に偏重したポートフォリオであれば、思いがけない損失もあり得ます。

 

そうなってしまう背景には、ポートフォリオを組成する段階で想定利回りを無視し、銘柄選択を重視するという全く逆の手順が踏まれているからです。

つまり、最初に想定利回りを決め、それに合わせてアセットや銘柄をポートフォリオに組み入れることが本来のポートフォリオの作成手順なのです。

大半の人は銘柄選びに多く時間を割き、想定利回りは「わかりません」という状況になっている。

銘柄の優劣ばかり気にして、思い描く想定利回りは未知数。

そのようなポートフォリオでいったい何を目的に投資するのでしょうか?

想定利回りの裏側にはリスクがあります。

リターンとリスクは表裏一体であり、リターンが決まらなければリスクも決まりません。

 

リターンを考えずにアセットの偏重を起こしたポートフォリオは市場に急変があった時に大きな痛手を被ることがあります。

例えば、土地バブルやリーマンショックはポートフォリオの偏重によって起こったと言えます。

土地バブルでは土地を担保に融資を受け、新たな土地を転売して利益を得る手法です。

土地を買うための融資だったため、ポートフォリオは土地で満たされていました。

お金を貸す銀行側もポートフォリオが土地に大きく傾いていたため、地価の急落で担保不足に陥ります。

リーマンショックの場合は利回りの高い融資不適格者向けの債権がポートフォリオに多く占めため資金がショートしてしまったために起こりました。

平時であれば順調で確実に儲かるアセットで満たされていても、それは優良なポートフォリオではないということです。

想定した利回りを考慮していないばかりに、想定外のリスクの潜んだポートフォリオを組んでいるのであれば大きな損失を被ることも考えられます。

そのため、定期的にポートフォリオを点検し、自分の考えている利回りと相違ないか確認しなければなりません。