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あなたは老後資金をどのように用意する予定でしょうか?

人生は80年あり、定年後に数年働いたとしても10年以上は年金のみで生計を立てなければなりません。

国民年金にあたる老齢基礎年金は年額78万円(2021年)、会社員や公務員であれば二階建て部分にあたる老齢厚生年金または退職共済年金が支給されます。

老齢厚生年金または退職共済年金は給料及び賞与(46月、賞与)や加入期間によって決まるので、現役時代の給料によって様々です。

例えば日本人の正規職の平均年収に照らし合わせ、大卒から定年までを加入期間とすれば、だいたい109万円になります。


会社員や公務員できっちり仕事してきた人は、およそ年間187万円年金が支給され、月額で表せば156000円程度です。

しかし、満額受け取れるわけではなく各種税金や保険料を引かれるので、実際の年金受給額はそれより低くなります。

大卒初任給よりも少ない金額ですので、「細々と節度を保って生活していれば苦しむことはない」と思いますが、人生最後の余暇を悠々自適に過ごすことは難しいでしょう。

 

また、それに加え、人生には想定外のトラブルはあります。

事故や天災、大病、離婚、介護などいつ起こるかわかりません。

それまでの人生を無計画に過ごしてきていたなら、手痛い仕打ちを受けることになるでしょう。

老後資金を貯えていなければ生活防衛に対するクッションがなく、一気に苦しい生活に変貌してしまいます。

一時的なものであれば良いのでしょうが、高齢になれば年金以外の収入がないため生活を戻すことは現役世代以上に困難なものになります。

そうならないためには、資産形成の計画を立て、それを確実に遂行する努力が必要なのです。

 

しかし、基本的に社会人になって何年も経っているのに資産がゼロという状態であれば、資産形成の素養は全くありません。

計画を立てても計画倒れになる可能性が高いので、素直に諦めた方が良いでしょう。

楽観的思考の持ち主は計画すら楽観的になる場合があるためです。

ノーベル賞経済学賞受賞したプリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマンは、経験則から判断結果に一定の偏りを表す認知バイアスという人間の心理を提唱しました。

これは、それは自分に都合のいい情報だけ選り取りし不利な情報を無視してしまう現象を意味している。

つまり「今まで問題なく生きてこれたから、今後も問題なく生きてられるだろう」と過去の経験に基づいて将来予想を立ててしまうことを意味しています。

そのため、計画を立てても期間が長めに取ったり、想定外に注意を向けないなど多くの問題点がある場合があります。

 

まず、老後の資産形成計画と現在の自分の資産とを照らし合わせみてください。

計画している資産に対して、現在の保有資産に大きな隔たりがあるのであれば、その計画は全く達成されないと思って良いです。

若いうちから資産を蓄えている人だけが、ゆとりある老後を手に入れることが出来るものです。

 

老後のゆとりを手に入れたいと心から願うのであれば、資産形成よりも楽観的思考を排除することが優先する課題です。