bitcoin-reserve_01


 日本政府は個人の資産運用を「貯蓄から投資」と迎合しNISAIDeCoなど非課税制度を整備しています。

運用益が全て非課税になることで約20%の課税額を払わずに利益を丸ごと手に入れることができます。

また課税口座においても、含み益のあるアセットを「決済せずに税金を繰り延べる(租税の先送り)」ことで原資産を減らさずに複利の効果を目一杯享受する手法もあります。

どちらも運用中に税金を払わず、常に運用残高を最大値にして複利の効果を最大限引き出すことを目的にしています。

理論上、この方法は合理的であり、目標資産へ最速に到達できる手法となります。

 

ただし条件としては、アセットが常に右肩上がりに直線的または指数関数的な伸びをするロールモデルを採用しなければなりません。

横ばい、右肩下がりでは全く意味がありません

ただし長期運用であれば、アセットの好調期や不調期は必ず出てきてしまいます。

不調期を逃れるためには「下落局面が発生しない運用期間を設定すること」、「適切なアセットを選択すること」両方が不可欠です。

しかし、それを予想することは不可能なことでしょう。

 

資産運用で最も重要な事は下落局面をいかに回避するかということです。

アセットの下落で運用資産が棄損してしまえば運用利回りを下げてしまう大きな要因になってしまいます。

租税の先送りばかりに気を取られ、指を咥えてアセットの下落を見つめていることは何が何でも避けなければいけないことです。

たまに発生する急落や金融ショックが発生すれば含み益は剥落し、租税の先送り効果も薄まってしまいます。

最悪なことに含み損となってしまえば、租税の先送りの意味は全くなくなってしまいます。

つまり、下落局面が始まったと感じれば、早めに利益を確保し運用残高を確保しておくことが最善の行為となります。

 

また、下落局面を回避することができれば、アセットの保有高の縮小を免れることも可能です。

10%の下落を予想するならばリターン+100%、15%の下落なら+300%、20%を超えれば+500%以上のリターンを得た時の納税額と等しいことになります。

これだけのリターンを出すことはインデックス投資では長い運用期間が必要です。

インデックス投資の想定リターン7%を当て跳ねれば+100%のリターンに10年、300%のリターンは20年、+500%ならば26年も必要です。

その間に1020%を超える下落相場は、過去の相場に当てはめれば何度も発生していることは明確な事実です。

今後も長期運用を行っていれば、大幅下落を何度も経験することになるでしょう。

何度も経験していれば、自ずと下落局面をとらえることが可能だと思いませんか?

1回でも下落局面を回避できれば運用残高を減らすことなく、割安な価格で運用を再開することは比較的難しいことではありません。

 

投資の目的は資産を増やすことであり、租税を先送りすることではありません。

所得税を払いたくないからと、ポートフォリオのリバランスや下落局面を回避しないことは目的と手段を履き違えた縛りルールになります。

縛りルールを用いるのであれば、適切な相場環境のみに留めておいた方が良いでしょう。

 

人は本質的に「損失が確定してしまう行動を避ける性質」があります。

しかし投資においては、「確定する損失」と「未来に起こるであろう大きな損失」を天秤にかけなければなりません。