
多くの投資家は「投資と投機」の違いを誰かに伝える場合、プラスサムゲーム、ゼロサムゲームを用いると思います。
株式投資であれば、企業の収益が価値を創出しているため、プラスサムゲームである、だから投資だ。
一方FXは通貨の交換だから価値は不変でゼロサムゲーム、これは投機になる。
そうやって「投資と投機」の違いを説明すると思います。
しかし、世の中はそんなシンプルな世界ではないと、皆さんよく知っていると思います。
そう、この論理では世の中から投資というものが無くなってしまうからです。
例えば、1年間で得た収益を100%配当に回していた企業があるとします。
1年後の企業価値に変化がなければ、株価は配当落ち分を1年間かけて埋めていくことになります。
元に戻った株価と1年分の企業収益はイコールになります。
この1年間で見れば、プラスサムゲームで「投資」と言えます。
しかし、配当だけが企業価値を決めるものでありません。
成長している企業であれば、株式の時価総額は純資産を上回るものです。
これは、将来の収益をすでに株価に織り込んでいるためです。
収益予想の変動を予測することは、投資と言えますか?
たぶん、言えないと思います。
つまり、投資だと思ったものでも、分解すれば投機の要素が隠れている場合があります。
私が思うプラスサムゲームは資金の流入がある投資商品全てだと思います。
株式市場であれば企業収益の流入があっても、それを上回る投資資金の流出があれば、それはマイナスサムゲームです。
資金流入のある投資商品を保有することで初めて「投資」というものが成り立つと考えます。
金融投資で資産を増やす方法はたくさんありますが、基本原理は「安く買って、高く売る」になります。
FX、仮想通貨など、投機と言われる金融商品であっても、そこに投資資金の流入があれば立派な投資です。
投資と投機の差というものはほとんどないと考えた方が良いと思います。
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