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皆さんはグローバル・マクロという言葉は知っていますか?

ファンドに詳しい方ならご存じだと思いますが、ニュースやSNSの情報発信ではあまり使われていないと感じます。

グローバル・マクロとは世界の経済見通しや地域の盛衰を把握したうえで、様々な金融商品への流入、流出を予想し、利益を得る手法です。

ポジションを大きく変化させられない大規模なヘッジファンドで多く運用され、有名なものでは、ジョージ・ソロス氏の「クオンタム・ファンド」やレイ・ダリオ氏の「ブリッジウォーター」などがその部類になり、運用責任者の投資判断で大きな利益の差が生じます。

責任と横並びを重んじる日本にない投資手法で、仮にあったとしても、実体はポンジスキームってこともあります。

 

投資手法の仕組みは簡単です。

数か月から1年先、世界経済は景気拡大しているのか?景気後退するのか?金利は適正か?歪みがあるか?景気サイクルはどこに位置しているか?

様々な要因から株価や債券、為替の価格がどのように変化するか予想することです。

ある程度独自に投資をしている方なら、普通に行っていることです。

 

しかし、その判断に足る情報収集は大変です。

現在の経済の立ち位置、各国の状況、経済の温度感。

経済モデルのバリエーション、いわゆる過去に起こった経済状況に対し、金融市場がどのような反応したか。

これは経験の蓄積による要素は大きいと思います。

それをどのように分析し、あなたのポートフォリオに落とし込むか、そこが難点だと思います。

天気予報でも3か月予報などがあるように、経済評論家の経済見通しも様々あります。

その経済見通しを取捨選択するには、もちろん知識は必要ですし、あなた自身の経済指標のチェックも欠かせないでしょう。

しかし、その見通しを買おうといったファンドはありません。

そのため、日本の経済評論家の発言は軽い。

言うのは勝手、当たるか外れるかの追跡調査もありません。

また、ヘッジファンドに似たファンドはあるが、運用責任者の手腕を買うようなもので、他力本願な日本人に丁度いい商品でしょう。

 

現在の日本では、低金利による株価バリュエーションの押し上げしか知らない投資家ばかりで、パッシブ投資していれば安全という状況に陥っています。

証券会社を見れば、インデックス投資やiDecoやつみたてNISAなどの積立投資にしか力を入れていない。

しかし、現在は先進諸国で利上げが行われ、2010年代のような経済状態から変化しています。

過去10年間の投資経験だけでは、金利が経済に与える影響を知らない投資家も多く、バイ&ホールド以外の投資法があることすら知らないほどだ。

グローバル・マクロ戦略の取れる有益な選択肢がないことから、その手腕は個人投資家に委ねられてしまっています。

 

今後も、低金利時代のようなパフォーマンスを得たいのであれば、潔くパッシブ投資は捨てる覚悟が必要です

株価バリュエーションの押し上げがなくなったパッシブ投資は終わったと考え、次の低金利時代までお預けにしないといけません。

そして、経済の温度感を常に感じられるよう、情報収集能力は高める必要があります。

高金利時代は投資環境において、非常に難しい時期ということを肝に銘じておきましょう。