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資本主義社会では、資本を持つだけでお金持ちになれると考えられています。

株式や債権など金融資本、不動産や設備など物的資本、ノウハウや労働など人的資本。

これらをうまく運用するだけで、資本が資本を生む仕組みになり、資本主義でお金の生むマシーンと変わります。

 

しかし、人はお金持ちになるばかりか、いつ貧困層に叩き落されるか冷や冷やしながら生活しています。

現在、富裕層と貧困層と呼ばれる、資本の持つもの持たないものとの格差は開く一方です。

なぜそのような事態が起こるのか?

 

それは、人間は自分が「特別な存在」「特異な存在」という価値観を持って生まれるからです。

多くの人は子供の頃、「自分は何でもできる」「特別な存在だ」と感じて生きてきたと思います。

それは本能的なことで、幼児的全能感と言われます。

 

これを大人になっても持っている人は多くいます。

コツコツ努力することは凡人がすることで、時間や労力をかけず、効率良く成果を上げることが自分にとって最もふさわしい方法だと考えています。

それを物語るように、街中にはパチンコや公営ギャンブルの広告があふれ、駅前には宝くじ売り場がある。

そんな世の中の状況を理解していれば、多くの人がそのような思想を持っていることかすぐわかるだろう。

ギャンブルの棚ぼた的な利益は、幼児的全能感を持つ者には自身の特異性を強くアピールできる最高の方法なのです。

 

もちろん、それは株の世界にもあります。

急騰した銘柄や仕手株などに集まる、イナゴと呼ばれる人たちがいます。

企業分析などせず相場師の予想に乗り、利益を得る。

企業分析した人と利益が同じなら、努力しないで利益を得られた自分はとても有能だと思うわけです。

 

基本的に人間は努力したり、コツコツ積み上げることは苦手です。

可能ならば、努力せず、努力しても効率よくと考えています。

しかし、それが上手くいくことはほとんどありません。


幼児的全能感を捨てたもの克服した人のみが、資本主義社会からお金を与えるとポッツは思います。