人生経験の有無で投資利回りが上がるかと言えば、ポッツは上がらないと考えています。
特に、成功体験は投資の世界では逆に足枷になるとさえ考えています。
「韓非子五蠹篇」の中にある説話「守株待兔」という物語があります。
北原白秋作詞の「待ちぼうけ」の童謡として日本で有名です。
ある日、農民の畑の切り株にうさぎがぶつかり、首の骨を折って死んだ。
獲物を持ち帰って食べた農民は、翌日から鍬を捨て、またうさぎが来ないかと待っていたが、二度と来なかった。
そのために作物は実らず、国中笑いものになったという物語だ。
この物語から「自身の努力」なのか「偶然の幸運」なのかわからない成功体験は、時間やお金を無為に消費することを教えとしています。
物語の本質は古い出来事に固執せず、時代に合わせて臨機応変に変えるべきというものです。
投資の世界にはその年その時期に、もっとも好パフォーマンス上げる投資商品が巡るめく変化していきます。
ITバブルの時はハイテク株、BRICsバブルであればコモディティーのように。
バッチリ時流に乗って利益を大幅に増やせたとしても、同じような相場は二度来ることはありません。
しかし、いつまでもその成功体験を忘れられない場合、ナンピンやアンダーパフォームしつつ握りしめます。
しかし、その流れはいつのまにか逆流して、時間やお金を無駄に消費していたと気付くわけです。
投資家は自分のポジションが世の中の時流に乗っているか、あるいは逆らっているのか、いつも立ち止まって考える必要があると思います。
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