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様々な金融商品には価格変動のリスクが存在しています。

いくら有望な銘柄でも思惑が外れてしまえば、大きな損失が発生してしまうこともあります。

そのようなリスクを軽減するために、投資を行う際は一つの銘柄にリスク集中させず、複数の銘柄や金融商品に資産を分けて投資を行う「分散投資」をお勧めすることが広く一般的になっています。

そのような背景から、多くの銘柄で構成されているインデックスETFが人気になっている一因になっていると言えます。


しかし、インデックスETFならリスクを抑えられると本当にお考えですか?

 

答えはノーです。

複数銘柄で構成されていたとしても個別のリスクが平均化されただけで、抑えられたという表現では全くの間違いです。

例えば、ある投資家がグロース株に集中投資していたとします。

そこにバリュー株を加えればリスクは下がります。

しかし逆に、バリュー株のポートフォリオにグロース株を加えればリスクは上がってします。

もし仮に、リスクが抑えられたのであればリターンは相対的に下がっているでしょう。

このことは多数の銘柄で構成されているインデックスETFでもリスクが存在するので、簡単に理解はできるはずです。

 

では、なぜリスクを抑えられると表現するのか?

それは、銘柄の中にはある銘柄と逆相関に働く銘柄があるためです。

例えば原油価格で価格変動する業種の株式と言うものがあります。

原油高になれば石油メジャーの株価は上昇します。

しかし、一方で電力会社や運送業は燃料高となり株価は下がります。

つまり、その値動きが相殺されて変動が軽減されるためです。

 

しかし、分散投資というものは自身の目的としたリターンに合わせて、逆相関のある金融資産を組み合わせることが最も重要です。

株なら債券、新興国通貨なら金など、逆相関に動く異なる金融商品を組み合わせることで初めて威力を発揮します。


それを分散という言葉で、安易に株式だけ複数の銘柄を購入しても、リスクが低減させられる効果はありません。


つまり、インデックスETFであっても、株式というカテゴリーに対するリスクは絶対消えないのです。
株式に株式を混ぜても株式には変わりないということ。

さらに付け加えるとするならば、インデックスETFは分散効果を目的としたETFではありません。
そのため、インデックスETFだから「安全、リスクが低い」というのはは必ずしも正しいとは限りません。