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昨今、インデックスETFヘの積立投資は分散投資と時間分散効果があり、安全で手堅いとても賢い投資法として人気があります。

特に世界3大資産運用会社のバンガードの組成するETFは、運営に係る信託報酬が非常に安いことで人気があります。

 

代表的なETF3つを紹介します。

VTI : アメリカ市場全体に投資するETF  CRSP米国総合指数に連動

 

VOO: アメリカを代表する500社に投資するETF  S&P500に連動

 

VT  : 新興国を含む全世界株式に投資するETF  FTSEグローバル・オールキャップ・ インデックスに連動

 

どちらも株式のみに投資するETFであること同時に、株価指数(ベンチマーク)に連動する形を持っている。

指数連動型のため銘柄選定等にかかる報酬がかからないので、信託報酬は0.3%程度と非常に安いことが魅力です。

 

さて、この3つでどれをおすすめするかと言えば

どれも似たり寄ったりで、それほど変わりません。

違うとすれば、VTIVOOアメリカオンリーで運用しますが、VT先進国が90%新興国10といった割合で運用しています。

いくらVTが全世界株式と謳っていてもアメリカ株式は50%以上の構成割合を持っています。

また、VTIVOOGAFAM株式の構成割合が非常に高い20%程度)ため、GAFAMの値動き次第とも言えます。

そのため、どのETFもアメリカの市場次第というのは変わりません。

アメリカ株式の値上がりが止まれば、収益どころか損失も考えられます。

また、VTはアメリカ以外の先進国株式や新興国株式を保有するからといって、分散効果はなく、逆にリスクの高い株式を保有するため、変動はVTIVOOより大きくなる傾向があります。

 

そしてVTに構成されている新興国株式はあまり意味がありません。

新興国は成長率が高いから、VTの値上り余地があるとするのであれば、それは誤解です。

残念ながら、新興国株式は高成長率を加味して株価が反映されているため、成長力を維持するか減速するかが重要になります。

そして、構成されている割合はどの新興国であっても1%程度です。

これは最も構成割合の高いアップル株式と割合が同じため、注目される国があったとしても、価格を押し上げる効果はほとんどありません。

 

大企業の寡占化が進むと考えればVOO

アメリカ市場全体が成長すると考えればVTI

アメリカ以外の国々が世界に台頭してくると考えるのであればVT

と考えれば良いです。

ただし、それを考慮しても運用に差が出て1%前後でしょう。

ETFの構成銘柄をいちいち確認して、個別に分析する人がいるのであれば、その人は個別銘柄を買っています。

誰に聞いても、明確な答えなんか得られません。

 

そして、最後に言いたいのは、世界の株式市場はアメリカ市場に連動しているということです。

世界最大の経済大国であり輸入大国、世界の基軸通貨であるドルの発行できるアメリカの動向次第で世界情勢は変わります。

アメリカがコケれば、世界がコケる。

アメリカ株式市場でなにかしら起これば、世界中の株式市場に大きく反映される。

アメリカ株式が終われば、世界の株式市場が終わる。

インデックスETFの小さな差を考えることより、その時その時の世界情勢を把握し、今後の展望をひたすら考えることが大事です。